His Story 28

私は仕事の他に、大学へ通いながら、ファシリテーションの勉強をしてと、かなり忙しくなりました。しかし、お金は出て行くばかりで、なかなか入っては来ません。私は愛車を手放す決心をしました。

もう10年近く乗っていたホンダのフィットでした。「ぶーぶーちゃん」と名付けて可愛がっていました。

車の維持は結構大変で、随分前の人気漫画『3✖️3EYES』の无(うー)のようです。

私は車の運転が好きだったので、とても辛かったのですが、背に腹は変えられません。色んなところに連れて行ってくれた車とお別れして、以後はバス・電車でどこへでも行くことになりました。

ホワイトボード・ミーティング®︎では新たな取り組みが始まりました。教育現場で活用される場面が多いホワイトボード・ミーティング®︎ですが、学校では絵本の読み聞かせとファシリテーションと融合させた取り組みが進んでいて、「絵本ファシリテーターの会」というものが発足していたのです。大阪でも独自の取り組みとして絵本好きがちょんせいこさんを筆頭に4人ほど集まり、ゆるゆると活動が始まりました。

私も絵本は大好きだったので、メンバーに加えてもらいました。

絵本ファシリテーションとは、物語の途中で立ち止まり、対話を促し、絵本をもっと楽しむ読み聞かせの手法です。ちょんせいこさんと学校教諭であった岩瀬直樹さん、石川晋さんが実際に授業で行っていた絵本の読み聞かせをベースに作られました。

私たちは大阪支部を立ち上げて、活動・研究を始めたのです。

何度か研修会を実施して、私は絵本ファシリテーターとしてデビューしました。最初に読んだ絵本は洋書絵本の”Dog Blue”です。邦題は「あお」でポリー・ダンパーというイギリス人作家が描いた本でした。

青色が大好きな男の子が、黒い斑点のある白い子犬を飼い始めたのですが、青色の犬ではないことに戸惑う可愛らしいお話です。

この絵本には良い対話のポイントがあって、子どもも大人も楽しめます。

そして、今では私の読み聞かせ会の定番である佐々木マキさんの『はぐ』もこの頃からレパートリーに加わりました。お手製の指人形を使う人気絵本です。

この指人形は「Hちゃん人形」という名前です。絵本が好きで手芸が得意なHさんがたくさん作ってくれました。Hさんは古墳好きな僕のために国宝の「踊る埴輪」をモデルにしたHちゃん人形を作ってくれました。私はさらにわがままを言って、そのハニワさんにジュンクの緑色のエプロンを着せてもらいました。

Hさんはその後、ご病気になってしまい、最後にお会いした時に持っていたHちゃん人形を全部私に譲ってくれました。その後、お会いすることはありませんでしたが、今でもこの人形と使うたびにHさんのことを思い出します。

そして新たに、絵本ファシリテーターとしての技術も習得して、ホワイトボード・ミーティング®︎の研修に入れることになりました。

ホワイトボード・ミーティング®︎の研修では、よく小学校へ行かせてもらっていました。子どもたちにも先生にもファシリテーションの研修をしていたのです。先生の前で模擬授業を行うのですが、その授業の中で絵本を読むと子どもたちは大喜びして楽しんでくれます。

その研修が好評で、何度も色んな小学校に呼ばれて研修を実施しました。最初は緊張していましたが、何度かするうちに楽しくなって、子どもたちからたくさんのエネルギーをもらいました。

続く


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